夏草の賦

26 04 2010

大河ドラマ「龍馬伝」で話題になっている土佐。幕末より250年以上も前の戦国時代、この土佐を興した人物である長宗我部元親。彼の生涯を描いた著書です。彼が君主になった時は、まだ土佐の一部しか取得していませんでしたが、全盛期には四国全土にまで勢力を広げました。しかし、生まれ合わせた場所が悪く、東海道の要所を押さえた信長に脅かされ、本能寺の変の後は秀吉に脅かされ、ついに秀吉に屈して土佐一国に引っ込まざるを得なかった元親。20年の戦で2万人という被害を出しながら、報われなかった感がありますが、それは毛利や上杉、武田等も同じでしょう。むしろ、本州とは遠い位置にありながら、まだ美濃を押さえたばかりの信長に近づき、明智光秀の筆頭配下ともいえる齋藤利三一族である菜々を嫁にもらったりしたところは、先見の明がある名君だなと感じ入りました。そして何より「一領具足」でしょう。兵士数が足りないことを解決するため、戦時には農民も兵士とする、いわば屯田制ですが、この政策がとてもウケ、土佐独特の気風になりました。秀吉侵攻時には徴収する年齢幅を広げたことにより、武士と農民の階級意識がほとんど無くなった感もあります。それが幕末に活発だった土佐藩のルーツになったともいえるようです。こうして四国に覇を唱えた元親でしたが、最期は心身ともに弱り果てた姿になってしまいました。九州征伐戦で、息子の信親を失い、その直後に菜々が病死したことで、生きる希望を無くしてしまったようです。世の中の動き(秀吉が死んで家康が台頭してきた)にも全く反応しなくなり、愚鈍な君主に成り果ててしまいました。そして、後を継いだ盛親が大阪側について夏の陣で敗れたため、長宗我部家は滅亡。同じ境遇にありながら上手く世を渡り歩いた伊達政宗とは対照的ですね。ただ、戦国時代において初めて四国を統一した「長宗我部元親」。彼の偉業はとても素晴らしいと思います。またこの本は長宗我部元親を英雄視するのではなく、彼の大名感や人間味を数々取り入れるなど、リアルな人物像を描いていたのが良かったです。とても読みやすい本なので、「土佐」ブームな今、オススメの一冊です。

TVの特別ドラマとかにも採り上げて欲しいです。

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