リヴィエラを撃て

20 04 2010

日本推理作家協会賞と日本冒険小説協会大賞を受賞した、IRAを巡る長編小説。自分が高校の時、世界史を専攻しており、その時からIRAに興味(IRAって良くテロリストとして扱われますが、自分は違うのではと思うのです。元々イギリスに侵略・迫害されたので、それに対抗するため立ち上がったゲリラのようなものだと思うのです。第二次大戦のレジスタンスのように。)があったので、この小説に手を伸ばしました。

1992年冬の東京。元IRAのジャック・モーガンが謎の死を遂げますが、それが全ての序曲だった。事件全貌の黒幕とされる「リヴィエラ」とは何者なのか?その秘密を巡り、CIA、MI5、MI6が暗躍する。誰が敵で誰が味方なのか、次第に分からなくなっていく中、舞台はイギリスから日本へ。組織の枠を超えた感情と謀略が入り交じる、国際諜報戦を描いた小説。

小説の中の主人公は、ほぼジャックです。彼が何故IRAに身を投じたのか、そのルーツから、彼が非業の死を遂げるまで、ジャックを中心として物語が進みます。この小説を一言で表すなら、「裏切り」です。妻だった女が実はスパイだったり、表と裏の顔がある人物が非常に多い。そしてジャックの身のまわりの人物がどんどん殺されていく。そしてそのジャックも死に、ジャックの遺志(?)を継いだ4人の人物も1人を除き、全て死に至ってしまいます。生き残った人物がイギリス人の父親を持つ警察官・手島。小説の後半では、彼がその大きな秘密の全貌に迫っていきます。この本を読み終えた時、最初の感想は「疲れた」です。普段は気楽に読書をしており、速めに読んだり前の内容を多少忘れてしまっても、そんなに気にならずにそのまま読み進めることが出来るのですが、この本に関しては、そんなことをしたら頭がてんてこ舞いになり、どんどん分からなくなってしまいます。そのくらい登場人物の感情や活動が複雑に入り乱れているところがあるので、じっくり読み込まないとならなかったです。お陰で普段よりも読むペースが明らかに落ち、2冊読むのに2週間ほどかかってしまいました。読み終えた時は何か達成感を感じたほどでした。でも、内容は面白かったです。常に身の安全は保障されていない、その緊張感もひしひしと伝わってきましたし、話の展開も飽きがこなかったです。何より現実性に欠けていないところが良かったです。全貌はほぼ明らかになりながら、完全に解決されなかった物語の最後も、何かリアルでしたし。「裏切り」と「暗躍」が主体なので、一貫して冷たい印象のあった物語でしたが、最後のシーンで人の温もりを感じたので、後味も良かったです。読み切るのには根気が要ると思いますが、とても面白い小説だと思います。

読み応え十分な内容です。

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