犯罪者たちを描いた小説

25 03 2010

立て続けに犯罪者たちを描いた小説を読みました。

「繋がれた明日」 真保裕一
人殺しに明日はあるのか・・・。勢いで人を殺してしまった主人公が、19歳で少年刑務所入り。26歳で仮釈放になるも、待ち受けていたのは世間の厳しい目でした。この手で命を失わせてしまった懺悔の気持ちと「自分は殺そうとして殺したのではない!」「相手から攻撃してきた!」という消えぬ思いが錯綜する中、自宅や家族の近所にバラまかれた「この人は人殺しです!」という顔写真付きのチラシにより、社会的窮地に追い込まれてしまう主人公。人情溢れる保護司に「人」の温かさを覚えつつ、過ちを犯してしまった主人公の家族に押し寄せる不幸は何とも言えませんでした。キレやすい若者が増えていると言われている現在、一瞬の過ちが事件に関係ない家族までも取り返しのつかない事に一生巻き込み続けてしまうのだと痛感しました。

どんな理由があれ、殺人は殺人。どんなに懺悔しても失った命は二度と戻らない・・・。

「手紙」 東野圭吾
人殺しの家族を持つ者に希望の光はあるのか・・・。両親を早くに亡くし、二人で生きてきた兄弟。体を壊して働き口のなくなった兄が、頭のいい弟を何とか大学に進学させたいがために強盗殺人を犯してしまいます。当然兄は刑務所行きですが、災いは弟の身にまで及ぶ事になります。勤め先や恋人、音楽をはじめ、自分が「強盗殺人の兄を持つ者」と分かった途端、射し込み始めた未来の光が閉ざされてしまいます。世間から逃げるように暮らし、毎月届く手紙を破り捨てて兄を恨むようになる中、ずっと主人公の理解者だった女性と結ばれることに。しかし、災いは新しく生まれた娘にまで及ぶようになってしまい(この辺り、かなり胸が痛くなりながら読んでました。可愛そうすぎる。)、ついに主人公は苦渋の決断を下すのでした。「差別」とは何か、犯罪者の家族がどう生きていくべきか、かなり重く深いところまで突っ込んだ小説でした。そして読んでいて目頭が熱くなるシーンが何度もありました。主人公の妻となる女性が兄に手紙を書かない主人公に代わって手紙を出していたシーン、兄がずっと被害者家族へ手紙を出し続けていた事が判明したシーン、そして最後の対面のシーン(特に兄の様子)・・・。とても切ない話でしたが、この本は本当に名作だと思いました。

どんなに愛が強くても、一瞬の過ちで切れてしまう事も・・・。

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