悪意

10 11 2009

東野圭吾の著書です。彼の作品はすごい人気ですよね。自分が図書館に行った時、まず探すのが彼の著書なのですが、いつも貸出中で、なかなか読むことができませんでした。でもやっと最近何冊か借りることが出来ました。そのうちの一冊が「悪意」です。この推理小説は、通常のそれとは違った手法で書かれており、「こんな推理小説もあるのか〜」と感心させられました。なんと、物語の序盤(1/4)で真犯人が分かってしまうのです。で、残り(3/4)は犯人の「真の動機」を探していくというストーリー。あまり書くとネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、その動機や自供(告白)を巡って浮かび上がる犯人と被害者の人物像。見事に著者が描いたトリックに引っかかってしまいました。序盤で真犯人が判明したことにより一瞬拍子抜けしてしまいましたが、その後の展開、非常に面白かったです。

「悪意」もそうでしたが、今まで読んだ東野圭吾の作品には、非常に暗い影が潜んでいるように感じます。体は女性なのに心は男性という人物を巡るストーリーである「片想い」、30年前の暗い過去を引きずる男女を時間を追って描いた「白夜行」・・・。確かに暗いのですが、ストーリーに引き込まれて、その問題を考えさられながらどんどん読み進めてしまうという、不思議な魔力が東野圭吾の作品にはあります。(初めて読んだ「しのぶセンセにサヨナラ」は、明るくてユーモアのある短編推理小説集でした。)「容疑者Xの献身」や「秘密」「手紙」など、まだまだ読んでみたい作品はたくさんあるので、これからも図書館に行ったらまずチェックしていきたいと思います。

東野圭吾の作品は人気なだけあり、非常に面白いです。

東野圭吾の作品は人気なだけあり、非常に面白いです。